以前、ご質問いただいていた内容で、(iDeCo=個人型確定拠出年金)
「若いうちにiDeCoを始めたら、死んだときに損しないですか?」という質問をいただいたので
iDeCo加入者が亡くなられた時に
どのように給付されるのかなどを確認する意味で記事を書きました。
この内容は2019/2/26日時点での内容になっており、
制度内容によっては異なる場合もございますので、詳細は加入の運営機関までお問い合わせください。
目次
1.死んだらiDeCoの積立はもったいないのか?
加入者が亡くなられた場合、遺族がiDeCoの積立金を受け取れることになります。
これを死亡一時金といいます。
では、死亡一時金があることでどんなメリットが出るか考えてみましょう。
1つの例ですが、お葬式の費用にあてるのはいかがでしょうか。お葬式の平均価格は約190万。
亡くなられてもiDeCoの資産があればご自身の葬式代を補うことができます。
これから結婚のご予定がある方は生命保険金として考慮もできます。
結婚してから保険の見直しをするときは「生命保険」の金額から積立額を引いてもいいでしょう。
実質、保険料の負担が少なくなります。
もう一つ、iDeCoは、障害状態になったときにも給付が受け取れることがメリットの1つです。
同じように障害状態で出る保険を積立していたら
そちらもiDeCo資産額によっては解約や払い済みの考慮をしてもいいですね。
こんなイメージで、iDeCoを若いうちから利用して積立をしておけば、決してもったいないと感じなくなるのではないでしょうか。
2.iDeCo給付の種類
今回は脱退一時金に関しては書かずに、その他の給付金に関してまとめました。
A.老齢給付金:\60歳以降に受け取れるよ/
みなさんご存知のとおり、iDeCoは60歳になったら給付が受けられます。
70歳まで拠出はできませんが、「運用指図者」といって運用のみ行うことも可能です。
加入月数が10年に満たない方は別途ルールが適用されますので
こちらのblog記事リンクを参照ください→ 10年に満たない方は?
「運用指図者」でも管理手数料は月々発生しますので注意してください。
70歳まで給付申請をしないと「一時金として給付」されます。
申請方法は運営管理機関に資料請求をしてください。
老齢給付の税金優遇は「退職所得控除」になります。
B.傷害給付金\傷害状態になったら受け取れるよ/
傷害給付金とは、個人型年金規約に定められている高度障害になった場合に給付を受けられます。
C.死亡一時金\遺族が受け取れるよ/
死亡一時金は、加入者が亡くなった場合に給付されます。
請求は遺族が運営管理機関に請求することになりますが
一時金のみの受け取り方法になります。
税金は請求年によって変わりますが、みなし相続財産となる(詳細は別途記載)ので、遺族側(近しい関係の方は特に)も税金の優遇が受けられます。
(個人型確定拠出年金 iDeCo 給付金の種類について まとめ)
A.老齢給付 | B.障害給付 | C.死亡一時金 | |
受け取れる条件 | 60歳になったとき (加入者期間が10年以上あれば10年以下のときはこちらのリンクへ) |
70歳前に高度障害者になった場合 | 加入者が亡くなった場合 |
申請方法 | 運営管理機関に請求 | 運営管理機関に請求 | 運営管理機関に請求 |
受取方法 | 一時金/年金/併給 ※金融機関に確認ください |
一時金/年金/併給 ※金融機関に確認ください |
一時金 |
税金 | 退職所得控除
計算式 |
非課税 | みなし相続財産 (3年まで) |
3.死亡一時金は誰に給付されるの?
死亡一時金は請求できる人の順位があります。
国民年金基金連合会「個人型年金規約(2018年5月)」遺族の範囲及び順位
から抜粋すると以下順位での受け取りになりますが、指定受取人を設定できる
運営機関なら、下記表より指定受取人の方が優先されるため
あらかじめ指定しておくことも可能です。
(↓受取人の順位※国民年金基金連合会資料より抜粋して一部引用)
優先順位 | 対象者 |
1位 | 配偶者 |
2位 | 死亡当時、生計維持関係にあった 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹 |
3位 | 死亡当時、生計維持関係にあった親族 |
4位 | 生計維持関係になかった 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹 |
詳細を聞きたい方や、指定受取人指定をされる場合は運営管理機関に確認ください。
4.知っておきたい「みなし相続財産」死亡時の一時金も税優遇される?
【4-1】みなし相続財産の説明
これは税法上の内容になりますがみなし相続財産として
500万×法定相続人の計算で控除されます。
生命保険にも同様の制度があり、それぞれ別の計算をするので、
生命保険金と分離して会社の退職金があれば退職金との合算になります。
(生命保険金と退職金の考え方)表の白い部分が課税範囲になります。
※右の家系図は相続人の例になります。
【4-2】いつまでがみなし相続財産?
一般的な税法上では死亡から3年目までが、みなし相続財産となります。
それ以降は一時所得、5年を経過したら相続財産になります。
受け取る時の税金額が変わってきますので、請求はお早めに済ませた方がいいでしょう。
あくまでも税法上の内容になるので、一般的な民事の相続に関しては今回は触れません
また、相続放棄をしたとしても、iDeCoの死亡一時金は
みなし相続財産として受取人が受け取れる可能性が出てきます。
【4-3】相続財産とみなし相続財産は合算?別のもの?
相続財産と、みなし相続財産は別の計算になりますので、
下記のようにそれぞれの内容で計算をすることになります。
今まで書いた内容に関して企業型は内容が規約により異なるので、個別に確認をする必要があります。
5.給付処理をしなかったらどうなる?
5年間の給付手続きをしない場合は税法上の相続財産となり、運営管理(資産の管理)をする機関が変更になります。
民法上の話にはなりますが、遺産分割などの手続きが再度必要になることも予想されます。
家族にはきちんと確定拠出年金の掛け金があることを伝えておいていただくことをおすすめします。
6.まとめ
◆iDeCo加入者が亡くなったら死亡一時金が遺族に給付される
◆給付金の受取人をあらかじめ指定できる
◆受け取り時は「みなし相続財産」として税金優遇を受けられる
◆税金優遇のみならず受取人の固有の財産として相続放棄時にも有効に利用できる可能性がある
◆受け取りは3年以内に実施する
◆加入者は家族に分かるようにしておく必要がある
◆保険などの意味合いを含めて若いころにイデコに入るのは有効
いかがでしたでしょうか。iDeCoって、実は色々使えることを知っていただきたくて書きました。
若い方が始めるとすれば、節税対策+将来の自分の保険のために
加入されるのはとてもおススメします!私も26歳から加入しました。
国が後押ししている年金制度のiDeCo、加入して良かったと思います。
もっと制度を知りたい方はこちら(F.labo内リンク)→日本一わかりやすいiDeCo解説
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