iDeCoを受け取るまでに身につけたい知識~受け取り編~

今日は個人型確定拠出年金(iDeCo)を受け取るまでに知っておきたいことを書いていきます。

1.自分の年金について知る

皆さんは自分の年金についてきちんと知っていますでしょうか?

 

年金には種類がいくつかあり、私たちが受け取れるものは「老齢基礎年金」という国の制度がベースになっています。

 

年金は20歳で加入し、60歳まで支払い、その後65歳までは待期期間となります。例えばこの5年の待期期間に60歳までに支払えなかった年金を支払える「任意加入」という選択肢もあります。

 

老齢基礎年金と言っても、受け取り方にもバリエーションがあり、自分なりに受け取り方法をカスタマイズできるのです。

2.どんな方法があるの?

本来は65歳からの受給が基本ですが、60歳から老齢基礎年金を受け取ることもできます。それを「繰上げ受給」といいます。

繰上げ受給は65歳で受け取るよりも受給額が少なくなり、その額が続きます。

 

逆に70歳まで受け取りを伸ばすこともできます。そのことを「繰下げ受給」といいます。繰下げ受給に関しては受給額の増加となります。

 

ここでまとめると、老齢年金を受け取るタイミングは60歳から70歳までの10年の選択肢があり、早く受け取ると額が少なくなり、遅く受け取ると額が多くなります。どれも、ご自身に合った受け取り方法を考えてみてください。

 

今回は書きませんが、「加給年金」「付加給付」「在職年金」などの制度もあり、その内容は具体的にシミュレーションする必要があります。まずは自分がいくら受け取れるのかを簡単に「ねんきんネット」で登録して見てみましょう!

3.イデコを受け取る時には自分だけの退職所得控除があることを覚えておく。

イデコには自分の拠出年数=退職所得控除年数として、利用することができます。ただし、自分の企業で退職金が出る場合には

 

①イデコを先に受け取った場合

5年後に会社の退職所得控除が満額利用できる

 

②会社の退職金を先に受け取った場合

15年後にイデコの退職所得控除が利用できる。

 

※ただし②については、イデコは現在70歳までしか資産を制度で保管できないので、実質現状では利用できません。

 

となり、①の選択肢が一番効率がいいと言われています。ただし、会社の所得控除が使いきれず余る場合にはイデコに適用可能なので、そのあたりも含めてしっかりとプランニングが必要になります。

4.イデコを先に受け取るのが必ずしもおススメでない理由

先程書いたように、イデコを先に受け取る方が、会社の退職金がある場合はもしかしたら有利に働くかもしれませんが、果たしてそうなのでしょうか。

 

実際にはそうとも言えないのです。

 

昨年1年間私は「運用指図者」として拠出をせずにひたすら運用だけしていました。その結果、どうなったかというと

コロナでマイナスの局面はあったものの、総じてプラス20万ほどの収益をあげています。積立しなくても年間20万です。

 

イデコは拠出(お金を出せる)期間が60歳までとなっていますが、拠出ができなくなった後60歳以降は一時金や年金として受け取らずに第3の選択肢があるのです。

5.第3の選択肢を知らずに大きな誤算にならないように

きちんと積み立てしてきた人には「複利」の良さが分かると思いますが、

イデコを30年ほど運用すれば複利で投資額が大きくなり、予想としては

 

大きな収益が得られる予測が、だいたい積立開始から25年~30年くらいです。

 

そこまでひたすら積み立てして、60歳になったら「ヤッホー!!受け取りだ~」というのもいいとは思うのですが、

 

それよりもっと「ヤッホー」にしたい方は「運用指図者」としてひたすら運用をするという方法です。

 

60歳から70歳まであと10年は投資信託で運用できるメリットが残されているのです。

6.運用益非課税というメリット

NISAなら5年、積み立てNISAなら20年という枠になりますが、実はiDeCoは60歳以降あと10年の非課税枠を使えるので大きく資産が形成された60歳以降は非課税枠は多い方がメリットになります。実に20歳から始めたら50年の非課税枠というスペシャル枠です。

 

すぐに引き出さなくても当面困らない、会社に退職金が無い場合などは60歳で一時金ではなく70歳までの運用を考えることはとてもおススメです。拠出がなくなり、資産管理手数料は必要になりますが、資産額全体からすれば少しの額です。

 

例えばの話ですが、運用益3%というできそうな運用益を設定したとしても、資産が1000万あった場合に毎年30万の利益を生んでくれる資産になります。しかも通常なら6万の税金が控除されるところ、その6万も不要となるのです。

 

毎年30万増えたら10年で300万。結果イデコの資産が膨れ上がり、受取時に多少の税金を支払っても、運用に時間を割くのは選択肢の1つとしては賢明な判断ではないでしょうか。

 

これ、私がずっとストーリーズしてきたアメリカの投資の考え方そのものなんです。

アメリカの総資産額は日本の比ではないのです。それはきちんと時間をかけて運用するという土台があってこそ。それが誰でもできるフィールドが確定拠出年金なのです。

7.結局は自分は自分。人は人。

3年ほど前に退職所得控除の考え方について、5年後なら会社のも、自分のイデコの退職所得控除も受け取れますよと書きましたが、

筆者は運用10年目にして、その内容が幻想に思えてきました。

 

結局会社の退職金がある人も、多くの方の状況を聞くほど、その額もバラバラで情報自体があまり役に立たないのかもしれないと思えるからです。

 

あの人がこう言っていただからというよりも、きちんと積み立てして自分の資産をいかに運用していくか。そういうところに目を向けていく方がより自分のためになるのではないでしょうか。

8.自分の老齢年金と合わせて資産運用の設計をしていこう

最初に話したように、国からもらえる年金もあるので、本当にイデコを60歳で受け取る必要があるのか?という目線で資産設計をしていくのが必要になります。

 

例えば減額があったとしても長く老齢基礎年金を受給しながらリタイア人生を楽しんで、副業で稼げる体制を作る。

 

イデコは資産運用の目的で60歳のうちは少しでも増やすことに注力することも1つの選択肢です。大切なのは非課税枠と自分に一番しっくりくる運用方法を続ける事だと思います。

 

そして、イデコの一時金は引き出すまでは国がしっかりと管理をしてくれるので、むやみやたらに減らないということです。

 

恐らく一時金や退職金を受け取る際には、銀行や証券会社から営業を受けることでしょう。ここで銀行や証券会社に預けて失敗する方が非常に多いということも覚えておいてください。

 

よく考えてください、運用はそのままiDeCoの口座でしている方が非課税で一番堅い運用方法なのです。

そう考えた時にイデコ口座はとてもメリットのある口座になるのだと思います。

【確定拠出年金(iDeCo)専用】SBI証券

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